
レポート
09:00 ホテ ル双葉の杜発
09:50 酒田のから堤
最初に立ち寄ったのは、「酒田のから堤」である。かつて、相馬地方の七不思議のひとつに数えられたという場所だ。
この堤の池にはカニとウナギが住んでいたという伝承が残る。互いに近くの同じ穴に住み、行き来しながら仲良く暮らしていたが、数が増えるにつれ、住むところや餌を巡って争うようになった。やがて争いは激化し、ついに戦いとなる。長い争いの末、ウナギは姿を消し、堤はカニの穴だらけになった。そのため水が溜まらなくなった。---という物語である。
田畑の広がる静かな土地に立つと、素朴な伝承が土地の記憶として今も息づいていることを感じる。


10:30 桃内駅
請戸川支流沿いの田園風景を歩き、やがて桃内駅に着く。小さな無人駅で、周囲は静まり返っている。列車の往来も少なく、時間の流れが緩やかに感じられる。

11:00 大悲山石仏
この日は歩行距離が短く、時間に余裕があったため、トレイルを少し外れ、桃内駅からルートを変えて北上し、「大悲山の石仏&浪岩横穴古墳」を訪ねた。
大悲山(だいひさん)には、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて彫られた磨崖仏が残る。岸壁に刻まれた千手観音像などは、長い年月を経て風化が進んでいるが、東北を代表する規模の磨崖仏として貴重な文化遺産である。傍に立つ大杉は樹齢千年を超えると言われ、静かな山中に長い歴史を感じさせる。

大悲山石仏から北上し、小高の市街地に入る。通りには新たに開店した店舗も見られ、再生へ向けた動きがうかがえる。
東京から移住した若者が酒造りに取り組む醸造所を訪ね、町に新しい風が吹いていることを実感した。

12:40 昼食
昼食は市街地の食堂でとる。ダイナーボンズだ。
かつて精肉店を営んでいたという店主が造る定食は、ボリューム満点だった。ジャンボフードはいわき市の名物と聞いていたが、これまで訪れた福島県の各地でも見られる。お客さんにたくさん食べてもらい満足してもらおうという福島県民のおもてなし、思いやりの心なのだろう。その気持ちに応えてすべて平らげたいという気持ちが沸いたが、持病のことを考えて控えめにしておいた。



