2025年3月23日
Vol.3 Day1

レポート
JR常磐線の特急に乗るのは、今回で三度目となった。およそ3時間半で品川から双葉に着く。とても便利だ。多少時間はかかるが、新幹線の仙台経由よりも格安である。車内で放送される駅名も馴染みとなり、福島各地の地名をとても身近に感じるようになった。
車窓に映る景色は、すっかり春めいてきており、遠景は淡く霞んでいる。
前回1月に訪れた大野駅の駅舎もCREVAおおくまも工事は完了していた。福島浜街道トレイルでは大野駅から双葉駅の間は電車移動となっているので、前回歩き終えた大野駅では降りずに通過して、そのまま双葉駅に向かう。
双葉駅に降り立つと、風はまだ冷たい。東京では夏日との報もあったが、福島はまだ春浅い空気が残っている。駅の近くには新築の家が何件も立ち並んでいた。黒い外壁の家々が整然と並ぶ光景は、再出発の街並みを象徴していようにも見える。
駅に隣接する施設に案内所を訪ねる。震災前の駅舎を改装した施設には、双葉町のまちづくり会社「ふたばプロジェクト」の職員の方が常駐しており、町の現状を丁寧に説明してくださった。
「双葉町は、2022年8月30日に一部区域が避難解除されたが、避難解除地域がまだ町の面積の約1割程度にとどまる。また解除が一番遅かったことから、震災前の人口7100人から県外からの移住者も含めて現在180人で、3%にも満たない。駅近くに新たに建てた家もまだ空き家ばかりである。」
駅舎内や駅周辺には飲食店はあったが、閉店中だった。産業交流センター内にコンビニとフードコートがあることを教えてもらったので、そちらへ向かう。
11:15 双葉駅発トレッキング開始

11:45 産業交流センター
フードコートでなみえ焼きそばを食べる。太めの麺と三枚肉が印象的な地域に根付いた一品である。これが美味しかった。浪江のソウルフードだ!

12:45〜14:30 同センターに隣接している「東日本大震災・原子力災害伝承館」を見学。
地震、津波、原子力災害のそれぞれの様子を残した映像資料が 体系的にまとめられており、震災時の出来事が具体的に蘇ってくる。

13:45〜14:30 語り部のお話し会
語り部は、普通の主婦の方だったが、震災当日の体験、津波からの避難、そして原子力災害による長期避難生活について、実体験に基づく率直な言葉で語られる。とりわけ、印書に残ったのは、避難後の生活の厳しさであった。環境の変化の中で家族が直面した困難、それでも周囲の支えによって再び地元へ戻るに至った経緯が静かに語られた。最後に示された教訓は、防災無線とラジオの準備、そしてトイレグッズとお水の備蓄など、日常の延長線上にある具体的な備えの大切さであった。来館者は皆、真剣な面持ちで耳を傾けていた。
日曜日だったこともあり、多く方が来館していた。車のナンバーから、県内各地はもとより、東京、神奈川、東北各県から訪れていた。
15:15 「福島県復興祈念公園」&「震災遺構 浪江町立請戸小学校」

「福島県復興祈念公園」は現在建設中であり、現場はまだ公園らしい状態ではなかった。出来上がれば、防潮堤の内側に広大な公園ができあがることになるだろう。鉄パイプで組み立てられた見晴台が設けられていたが、残念ながら閉鎖中で見晴台に上がることはできなかった。
「震災遺構 浪江町立請戸小学校」は、海岸近くにあった校舎が受けた津波被害の状態をそのまま残している。被害を受けた校舎の状態を見ると、鉄の扉は大きく曲がり、モルタルの壁は津波に削り取られていた。津波の破壊力にただただ驚くばかりだ。津波は校舎の2階まで到達したという。しかし、震災当時は、教職員は児童を迅速に近くの高いところである「大平山」へ避難させ、全員が難を逃れたという。的確な判断と素早い行動が、現場で役立ったことを改めて実感する。

16:00 請戸漁港
請戸漁港は整然と整備され、穏やかな海が広がっている。

17:05 道の駅なみえ
本日の歩きは道の駅なみえで終了。
宿泊は、「やすらぎの宿ホテル二葉の杜」。館内にはランドリー、電子レンジなどの長期滞在にも対応できる設備が整い、復興事業に携わる関係者の拠点にもなっているようだった。

【宿情報】
名称 やすらぎの宿ホテル双葉の杜
住所 〒979-1513 福島県双葉郡浪江町大字幾世橋字田中前8
TEL 0240-23-7099
活動記録
活動時間
11:15〜17:05
歩行距離
11km
今日の1句



