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ふくしま浜街道トレイル⑥

ふくしま浜街道トレイルは2023年9月30日に開通した福島県新地町からいわき市までの約200kmを1本に繋ぐロングトレイル。

雄大な海を眺めながら、阿武隈山系に育まれた豊かな自然や地域の歴史、文化に触れることができます。また、東日本大震災や原発事故を永く語り継ぎ、見届けていく「伝承の道」でもあります。

当協会の佐藤理事が全行程を数回に分けて歩く、セクショントレッキングを実施。

俳人でもある佐藤理事の一句もお届けします。


Vol.2最終日の3日目は富岡駅から大野駅までをトレッキング。

2025年1月23日

Vol.2 Day3

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レポート

09:00 富岡駅

 富岡駅を出発し、海岸沿いを北へ進む。富岡川を渡った高台にはFCTA(ふくしま浜街道トレイルアソシエーション)中島さん推薦の民宿「フキノトウ」がある。次回、仲間と歩く機会があれば、ぜひ宿泊してみたい。何より海が見える。夜明けには、水平線から昇る日の出に出会えるかもしれない。


富岡川からの景色と「フキノトウ」
富岡川からの景色と「フキノトウ」

フキノトウを過ぎて最初の交差点を左折すると、第一原発の方向を離れ、道は内陸部へと向かう。

杉林の脇にはワイン用のブドウ畑が広がり、静かな冬の光に包まれていた。


杉林とワイン用ブドウ畑
杉林とワイン用ブドウ畑

10:45 夜の森

 やがて夜の森の桜並木に出る。春は見違えるほど美しい通りに変わるだろう。冬の今は人影もなく、ひっそりとしている。駅周辺は空き地が目立ち、かつての生活の気配は今はない。田畑の跡地にはソーラーパネルが整然と並び、時の移ろいを静かに物語っていた。


夜の森駅と桜並木
夜の森駅と桜並木

 さらに街中に進んでいくと、福島県立双葉翔陽高等学校の校舎跡に至る。その手前に新築の立派な家が建っていた。周囲が侘しいだけにひときわ印象的であった。新しい家の佇まいに、確かな再生の兆しを見る思いがした。


廃墟となっていた福島県立双葉翔陽高等学校  校舎は取り壊し工事が行われていた
廃墟となっていた福島県立双葉翔陽高等学校  校舎は取り壊し工事が行われていた

古い家屋もいくつか残っている。事情は分からないが、それぞれの歩んできた経緯があるのだろう。

 

12:00 ほっと大熊

 大熊町の中心部に入る。町役場に隣接して「ほっと大熊」という温泉宿泊施設がある。周辺には老人福祉施設やレストランや売店も集まり、町の再生の拠点となっていることがうかがえる。


大熊町の「ほっと大熊」
大熊町の「ほっと大熊」

 町役場の傍には「希望の灯り」が建立されていた。そこには、「過去を忘れず、現在を生き、さらに町民の皆さまと未来へと進んでいく私たちの希望の光でもあります」と書かれていた。この灯りは、神戸市にある「1.17希望の灯り」の思いを分けたものであるという。その道路の向かいには冬空に映える桜が咲いていた。


阪神淡路大震災を追悼する「1.17希望の灯り」 ガス灯から分灯された「3.11希望の灯り」と桜
阪神淡路大震災を追悼する「1.17希望の灯り」 ガス灯から分灯された「3.11希望の灯り」と桜

14:15 大野駅

 いよいよ今回のトレッキングの最終地点であるJR大野駅へと向かう。

大野駅周辺に近づくと様々な土木建築工事が行われていた。これまで空き地ばかりを見てきただけに、大野駅周辺の整備されたビルや建設中の店舗、公園は鮮やかに映る。複合施設「CREVAおおくま」は大規模な木造建築で、曲線を生かした外観が印象的だ。柔らかな造形は、再生へ向かう町の意思を象徴しているように感じられた。廃墟の記憶を抱えながらも、新たな時が着実に動き始めている。

三日間にわたる歩きは、ここで一区切りとなる。寒風の中に、確かな希望の光を見た旅であった。


工事が進むJR大野駅とCREVAおおくま 
工事が進むJR大野駅とCREVAおおくま 

活動記録

活動時間

09:00〜14:15

歩行距離

16.1km

​今日の1句
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