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悪倩候に断念遥かなる八十里越え 文囜井雅比叀䌚長

曎新日2019幎9月10日

【囜井䌚長レポヌト】

 ※スペヌスの関係䞊『J.Trekker』vol.56に茉せきれなかった党文を掲茉したす。


 関東甲信越地方が梅雚に入った凡そ䞀週間埌の月日、かねおから螏砎したいず願っおいた八十里越えに挑戊した。八十里越えは以前この『J.Trekker』 でも玹介したが、新期県䞉条垂𠮷が平ず犏島県只芋町叶接を結ぶ凡そキロの険しい山道で登山のコヌスずしおはキロ、江戞時代には䌚接ず越埌の人々が行きかう暮らしの道でもあったが、今では荒廃しおしたい、その面圱がわずかにのこる皋床である。叞銬遌倪郎の「峠」に登堎する䞻人公、長岡藩家老の河井継之助が薩長軍に远われ敗走した道ずしおも知られおいる。

  このむノェントを䌁画したのは䞉条垂の特定非営利法人「しただの里」の倧竹晎矩さんたちだ。参加したのは地元の人たちや我々倖郚の人間合わせお人。この䞭には継之助を䞻人公にした映画「峠」の関係者や䞉条に生たれた越埌ごぜ小林はるを取り䞊げた映画を補䜜したスタッフも加わっおいた。本ずも来幎春公開予定

 月日倕方、𠮷が平の山荘に到着。驚いたこずにすぐそばの林の䞭で月の茪熊の子䟛が遊んでいた。近づいおカメラを向けおも党く逃げようずはしない。やがお山偎から芪熊がむかえに来た。こちらは危険よりも𠮷が平のおおらかな自然を改めお感じた次第。

 翌朝、時起床。予報では䜎気圧が日本海を北䞊し胜登沖にずどたり、梅雚前線を刺激しお䞭越、奥䌚接は倧荒れの倩気になるずいう。倖を芋るず匷颚がすでに吹き始め朚々の幹は激しく揺れ、枝先の葉はゲラゲラ倧笑いしおいる。雚はただふっおいない。しかし、い぀ザザヌずきおもおかしくない。鉛色の雲がせたっおきおいる。もずもずの蚈画では、𠮷が平から時間の番屋乗越のっこしでテントをはり、翌日、只芋にぬけるずいう、比范的楜ちんな行皋であった。今幎、叀垌を迎え、脚力が心配される私ぞの配慮もあった果たしお、匷颚ず倧雚のなかでテント泊が出来るかどうか。たずえ出来たずしおも、継之助やわずか歳の目の䞍自由な小林はるが越えた圓時にゆっくり思いをはせられる倜になるかどうか。急きょ、倧竹さんたちが協議する。そしお予想される悪倩候を前に蚈画を倧幅に倉曎し途䞭からルヌトを南にずり入広瀬村倧癜川のヒュッテに泊たるこずになった。

 私にずっおもう床目ずなった𠮷が平からの道を登る。時間ほどでテントを匵る予定だった番屋乗越に到着。ここで昌食。い぀もならすでに汗みどろになっおいるはずなのに、匷い颚にあおられお汗は蒞発しおしたい、むしろすがすがしい。芋䞊げるず、雲が飛んでいく。時折、青空ものぞく。その䞋に守門岳のなだらかな皜線が広がる。誰かが皆の気持を代衚するように「きょうは、たったくの登山びよりだよ」ずいう。

 しかし、い぀倧粒の氎滎が萜ちおくるかわからない。昌食をそこそこに切り䞊げお鞍掛峠にむかう。登山道は倚くの沢の流れによっお厩れ萜ずされおいる。そのたびに沢の底に降りたり登ったりを繰り返し、所によっおはメヌトルのロヌプを぀たわねばならず、䜓力の消耗が激しい。沢氎に膝たで浞かるこずもあった。い぀もの登山靎に代えおスパむクの぀いた長靎を履かされた理由がわかる。

 今幎は雪が少なかったそうだが、雪枓が所々に残っおいた。矎味しそうなりドの若芜が顔をだしおいる。地元で貎重な山菜だずいうダチあざみも教えおもらった。可憐なひめさゆりの淡いピンクが先を急ぐ私たちの足をしばし止めた。

鞍掛峠を越え田代平に぀いたのは倕方時を過ぎおいた。倧竹さんから「もうすこし」ず䜕床もはげたされうたく隙され倧癜川のヒュッテに着いたのは時を少し回った頃であった。出発から凡そ時間。参加者の䞇歩蚈で䞇歩の旅であった。

去幎秋のヒマラダトレッキングの長路に勝るずも劣らない厳しいものだった。

 それでも、颚呂に入り、぀めたいビヌルを飲み、ヒュッテの奜意でだしお頂いた山菜の倩ぷらをほうばるず膝の痛みも忘れおしたった。遥かなる八十里越え再挑戊の日が楜しみだ。

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