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【レポート】3年目の笹尾根あるき「浅間峠~生藤山」

 多摩川水系と相模川水系の分水嶺で東京都と山梨県そして神奈川県との境に横たわる笹尾根(広義では高尾山までをいうらしいけど。ここでは三頭山から生藤山まで)を4つのセクションに分けて歩きつなぐシリーズの最終回です。

 里から上り、セクションが終わるたびに里に下りる訳ですが。今まで毎回スタートとゴールが同じ東京側でしたが、今回は東京の上川乗から神奈川の佐野川集落へくだります。かつて峠を挟んだ集落と集落で物的人的交流を笹尾根にある峠を介して行っていた。いにしえの人々が歩いた跡を体験できるコースといえます。

 スタートの上川乗からの植林帯の中の急登を九十九折りですが暗がりを好むネコノメソウが足元で楽しませてくれます。浅間峠から生藤山の笹尾根は明るい林と時折り足元に笹が茂る道をおおむね標高1000m足らずをいくつかアップダウンを繰り返します。尾根からはときおり左手に個性的な大岳山の山頂部分とその左に御前山が姿をみせてくれました。右手には富士山が見えるはずでしたが晴れているものの春の空気が邪魔して見えませんでした。その代わりにアブラチャンの黄色いリボンやカタクリの花が目を楽しませてくれました。

 私たちの笹尾根シリーズ終点の生藤山の山頂部は岩場っぽくスリルをしばし楽しめました。笹尾根全体は小さいピークばかりで目立つところはありませんが道は歩きやすく生活の道らしい縦走路でした。

 そして下山地の佐野川集落では茶畑の緑と春爛漫と咲き誇るさまざまな桜が集落を美しくいろどり軍刀利神社の石碑にあったようにまほろばの地のような景観でした。このようにして昔も他所から来る人々を歓迎していたことと思い馳せました。







2023年4月1日(土) 浅間峠〜生藤山


[文・西岡(参事)]






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