JMTはぼくのホームグラウンド

2年ぶりのジョン・ミューア・トレイルでした。もう何度めなのか、何百泊めのキャンプなのだかわからなくなってきました。何度訪れても、感動が薄れるということはないのです。それほどに、JMTはぼくの心の大半を占めています。その荘厳さ、おおらかさ、優しさ、美しさ。本物の自然というものの寸分の隙すらない完璧さ。そして、人間との見事なばかりの調和感。
地球という、自然と人との調和が求められる惑星にあって、そのバランスが崩れてしまった今、人間が介入し守るという役割を担うべき原生自然エリアにおいて、おそらく最も理想に近い姿が、シエラネバダであり、その中枢部に作られたJMTなのだと、ぼくは信じています。

一泊めのキャンプは、Golden Trout Lake の畔
自然の大きさや迫力を持つ自然だけならば、世界中にまだまだたくさんあるでしょう。でも、人が自然と理想的な形でかかわるというテーゼを実現したフィールドだという点において、ぼくはJMTに、いつまでもどこまでもあくまでもこだわっているのです。JMTを、おおよそ理想から程遠い他のフィールドを理想へと導くための呼び水とすることが、ぼくの大きな目的のひとつなのです。
そのフィールドを気心の知れた仲間たちと6泊7日で歩いてきました。”The Range of Light”とジョン・ミューアが表現したハイシエラの、その輝きが最も際立った山懐が、今回のルートでした。
かつて、いつもひとりで歩き、シミひとつない紺碧の、シエランブルーとぼくが呼ぶ空の下、岩と木と花と水と雪との造形が完璧なまでに調和された自然美をのんびりとおおらかに、心ゆくまで浸り染まり泳ぎ、溺れ尽くすことが、ぼくの歩きかたでした。
そうして、峠に立ち、目の前に広がる荘厳なばかりの景観を眺めながら、その自然美の極まりの景観にたったひとりいる自分を意識したとき、身震いしエクスタシーを得るのです。
そういった歩きかたをさらに続けながらも、近年は、その感動を人とシェアーすることの喜びに、より大きな感動を得るようになりました。
今回は、プライベートな旅ではあったのですが、Bepalの取材も兼ねた旅でもありました。仲間でもある山岳写真家の星野秀樹氏も同行し、彼がものにした秀逸な写真とともに来年の夏前ごろに掲載される予定になっています。どうぞ、お楽しみに。
と、ここまで書いているのに、ハイシエラの風景を来年までお預けというわけにはいかないでしょう。そこで、ぼく自身が撮った何枚かの写真をここでご紹介しましょう。ただ残念だったのは、シミひとつない紺碧の空と、書きましたが、今回は、あまり天気に恵まれず、毎日が雷雨との追いかけっこだったことでした。

一日の終わり、極上な時間
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樹齢千年をゆうに越えるJuniper(西洋ネズ)

今年は残雪が多く、このような渡渉を何度も強いられた

標高3300メートル。雪解け直下の流れ。冷たかった!!
At MacClure Meadow。これぞ、John Muir Trail!

2時間後

Sapphire Lake

Wanda Lake はまだ、雪と氷の世界

標高3600あたりの雪渓歩き
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雷鳴とどろくAmphitheater(円形劇場)

Shooting Star(流れ星)という名の水辺の花。JMTのもうひとつの魅力は、花のトレイルでもあること。でも、今年は、光がなく、どの写真も花が暗い

Muir Pass で愛嬌ふりまくマーモット君

Bishop pass(3640m) 直下。今年は最後まで、こんな天気だった

