風景が変わった
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この空、この雲、この池、この光、この風。幸せをかみ締めて歩く
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一万年前の最後の氷河が作ったSunfish Pond
もうすでにペンシルバニアを過ぎて、ニュージャージー州に入ってきた。このあたりは、ニュージャージー州とニューヨーク州との州境付近なので、ふたつの州を行ったり来たりしている。きょう泊まっているホテルはニューヨーク州。明日、Vernonという町に下りるつもりだが、そこはニュージャージー州。そうして、明後日には、本格的にニューヨーク州に入る。
Delaware Water Gap という町でペンシルバニアが終わって、デラウエア川を渡り、ニュージャージー州に入った。入ってすぐに、わかった。風景が違う。明るい。森が若い。気のせいだろうか? 数日前から時々会うようになったMoss というトレイルネームの青年に訊いた。彼は、大学で生物学を学び、専門は“苔”。アパラチアンに来る前、アラスカやコロラドで苔の調査をした。だから、Moss。彼はアパラチアン・トレイルを歩き終え、大学院に進むのだという。彼は、ぼくに同意した。やはり森の雰囲気が違うことに、彼も気がついていた。
ひとつは、最後の氷河期と言われる氷河がアメリカ大陸を南下した1万年前。その氷河の最南端が、今歩いているあたりなのだ。はたしてそのせいなのかどうかは、専門家に聞かなければわからない。
でも、明らかに植生が違ってきた。森が明るいと、なんとなくうきうきする。何日かに一度は、前回書いたようなすさまじい雷雨がある。でも、あのときのように長続きはしない。日本の夕立と同じように、2,3時間で通過する。そして、青空が広がる。
雲が秋を思わせる。森を下った草原の花にも秋の気配が漂う。そして、何よりも嬉しいのは、ニュージャージに入って、トレイル脇でブルーベリーがたくさん実をつけていることだ。毎日、摘み、食べながら歩く。
でも、怖いこともある。ニュージャージー州は州の法律で狩猟がすべて禁止されている。そのことも会って、クマがやたらに多い。1マイル四方に一頭いるのだという。これは異常な数だ。今、州はあまりにも増えすぎたクマを減らそうとしている。ぼくも、おととい会った。シェナンドアのときと同じ、またもやコグマ2頭を連れた母グマ! 夕刻、ぼくの前をコグマ2頭が逃げた。母グマがいるだろうと探したら、案の定、丘の上からぼくを見ている。コグマの行方とぼくを交互に見ながら、警戒している。ことは、それだけだったが、その母グマの大きさに、少々腰がひけた。
さらに、ガラガラヘビが多い。ぼくは幸い、まだ会っていないが、出会うハイカーのほとんどが見たと言っている。そして、同じく、ほとんどのハイカーがクマにも会っている。
先日、Mr.Beer から届いたメールによると、明日ぼくが行く予定のVernonの町中を歩いているクマを彼は見たらしい。その話を地元の人にしたら、それは普通のことだそうだ。学校の校庭を歩いていることもある、という。それほどに、クマが多い。
人々の話を総合すると、明日以降、3日間ほどのエリアが最もクマとガラガラヘビの多い場所らしい。
このホテルは久々にワイアレスのハイスピードインターネット環境があるというので、泊まった。ついに値段が一泊100ドルを越えた。今までとはだいぶ違ってくることはわかっていた。南部では、同じレベルのホテルに45ドルほどで泊まれた。今、夏のバケーションシーズン。しかもこれから北へ行けば行くほど、ホテル代が高くなる。
これまでやむを得ず2泊していたのを、これからは節制しなければならない。
ということで、きょうは、このあたりにしておく。
もう、夜中の2時。朝8時には出発する。iBepalの原稿は、次回ということにする。
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